親が認知症で家の名義変更ができない?実家凍結を防ぐ生前対策

はじめに:実家の名義変更、実は「認知症」になるとストップします
「最近、実家の親の物忘れが増えてきたような気がする……」
「もし親が施設に入ることになったら、実家を売却して入所費用に充てようか」
40代〜50代を迎えると、実家の将来や親の介護について考える機会が一気に増えてきます。そして、多くの方がこう考えます。
「何かあっても、親の家なんだから子どもである自分が代わりに名義変更したり売却したりすればいいでしょう?」
しかし、ここに大きな法律の落とし穴があります。
親が認知症になって判断能力(意思能力)が低下すると、実家の売却や名義変更(贈与や信託など)の手続きは一切できなくなってしまうのです。
本記事では、なぜ認知症になると実家の名義変更ができなくなるのか、実際に起きているトラブル事例を交えながら、後悔しないために「今すぐ確認すべきこと」と最適な解決策について詳しく解説します。
1. なぜ認知症になると「家の名義変更」ができなくなるのか?
まず知っておきたいのは、不動産の「名義変更」や「売却」という行為の法律上の位置づけです。
不動産の名義変更・売却はすべて「法律行為(契約)」
家の名義を変えたり、不動産会社に依頼して家を売ったりする行為は、法律上の「契約」にあたります。契約を有効に成立させるためには、当事者に「意思能力(自分の行為の結果を理解・判断できる能力)」が必要です。
親御さんが認知症によって判断能力が著しく低下しているとみなされた場合、法的に「有効な意思表示ができない」と判断され、以下の手続きがすべてストップします。
〇実家の売却(不動産売買契約の締結)
〇生前贈与による名義変更
〇実家を担保にしたリフォームローンなどの契約
〇建物の解体や大規模リフォーム契約
【ポイント】
司法書士や法務局、不動産会社や買主は、売却手続きの際に必ず名義人本人の「売却の意思」を厳格に確認します。本人の判断能力に疑義がある場合、手続きを進めることはできません。
2. 【実例】認知症になってからでは遅い!実際にあった後悔のケース
ここで、当事務所によく寄せられるご相談の中から、事前に対策を行わなかったことで大変なご苦労をされた事例(一部改変)をご紹介します。
事例:介護施設に入所した母の実家を売ろうとしたAさん(50代・女性)の困惑
【ご相談内容】
80代の母親が認知症を発症し、要介護度が上がったためグループホームへ入所することになりました。
入所一時金や今後の月々の利用料を確保するため、Aさんは誰も住まなくなった「母親名義の実家」を売却して資金を作ろうと考えました。
不動産会社に相談し、いざ買主が見つかって契約……という段階で、司法書士による母親との面談が行われました。しかし、母親は認知症が進んでおり「家を売る」という状況を理解できず、自分の名前すら書けない状態でした。
司法書士から「お母様の意思能力が確認できないため、売買契約および名義変更(所有権移転登記)の手続きはできません」と告げられてしまったのです。
Aさんを襲った「法定後見制度」の壁
諦めきれないAさんは、法律上の代理人を立てるために家庭裁判所へ「法定後見制度(成年後見人)」の申立てを行いました。しかし、そこからがさらなる試練でした。
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申立てから後見人決定まで約半年の時間がかかった
複雑な書類の収集や申立書の作成、裁判所の試問などに追われ、実際に後見人が選任されるまでに半年近くかかりました。その間の施設費用は、Aさん自身の貯金を切り崩して立て替えるしかありませんでした。
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専門職後見人が選ばれ、毎月報酬が発生することに
親族であるAさんが後見人になれると思っていましたが、財産規模などの理由から弁護士や司法書士などの専門職が後見人に選ばれました。これにより、毎月数万円の報酬が母親の財産から永久に支払い続けられることになりました。
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実家の売却に「家庭裁判所の許可」が必要だった
親の住まい(居住用不動産)を売却する場合、後見人がついても自由に売れるわけではありません。家庭裁判所に「どうしても売却が必要である理由」を説明し、許可を得る必要がありました。
Aさんは「母が元気で喋れていた数年前に、しっかり名義変更や生前対策をしておけばよかった……」と深く後悔されていました。
3. 「実家フリーズ」を防ぐための最強の生前対策「家族信託」とは?
Aさんのようなトラブルを防ぐために、近年非常に注目されている生前対策が「家族信託(民事信託)」です。
家族信託の基本的な仕組み
家族信託とは、一言で言えば「親が元気なうちに、実家の管理や処分の権限を信頼できる子どもに託しておく契約」です。
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委託者(財産を預ける人): 親
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受託者(財産を管理・処分する人): 子ども
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受益者(財産から生じる利益を得る人): 親
家族信託契約を結んでおくと、不動産の「名義(管理処分権)」だけが子どもへ移ります(※所有権の価値そのものは親に残るため、贈与税などの税金は原則かかりません)。
これにより、将来親が認知症になって判断能力を失ったとしても、受託者である子どもの判断だけで、実家の売却や賃貸出し、名義変更の手続きをスムーズに行うことができます。
成年後見制度と家族信託の比較
どちらも認知症対策として知られていますが、性質は大きく異なります。
| 項目 | 法定後見制度(認知症発症後) | 家族信託(認知症発症前) |
| 開始できる時期 | 認知症が進んだ後 | 親が元気なうち(判断能力があるうち) |
| 財産の管理・売却 | 家庭裁判所の監督下(厳しい制限あり) | 契約内容に基づき、子どもが柔軟に判断可能 |
| 実家売却の難易度 | 家裁の許可が必要で理由が限定的 | 子どものサインと印鑑でスムーズに売却可能 |
| ランニングコスト | 専門職後見人への月額報酬(数万円〜) | 原則不要(家族間で管理するため) |
| 家庭裁判所の関与 | あり | なし |
認知症になってから使う「成年後見」は財産を守るための制度であり、柔軟な資産運用や売却には向きません。実家を家族のタイミングでスムーズに売却・活用したい場合は、元気なうちに結ぶ「家族信託」が圧倒的に有利です。
4. 【今すぐ確認!】親が元気なうちにチェックすべき3つのポイント
「うちの実家はまだ大丈夫だろうか?」と気になった方は、今すぐ以下の3点を確認してみてください。
チェック1:親の意思能力の状況(会話や理解度)
日常生活の会話はできていても、「契約」や「お金の複雑な話」を正しく理解できているかがポイントです。「物忘れが増えた」「同じ話を繰り返す」と感じたら、生前対策のリミットが近づいているサインです。
チェック2:実家の「登記上の名義人」は誰か?
実家の土地や建物が、亡くなった祖父の名義のままになっていたり、夫婦や兄弟の共有名義になっていたりしないでしょうか。名義が複雑なほど、認知症が絡んだときの手続きが難航します。まずは登記事項証明書(登記簿謄本)で正確な名義人を確認しましょう。
チェック3:将来の介護方針と「実家の使い道」
親が将来施設に入った場合、実家を「売却するのか」「賃貸に出すのか」「将来子どもが住むのか」を家族で話し合っておくことが重要です。方針が決まっていれば、最適な生前対策(家族信託や遺言書作成、生前贈与など)を選択できます。
5. 東広島・広島エリアで「実家の名義変更・相続対策」にお悩みの方へ
「実家の名義変更について相談したいけれど、何から始めればいいかわからない」
「親の認知症が進む前に、家族信託ができるかプロに診断してほしい」
そのような時は、どうぞお早めに専門家へご相談ください。認知症対策は「親が元気な今この瞬間」しか手立てを打つことができません。
東広島・広島相続遺言の相談窓口(司法書士法人渡邉事務所)の強み

当窓口は、東広島・広島地域に密着した相続・生前対策の専門事務所として、これまで2,400件以上のご相談をお受けしてまいりました。
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地域トップクラスの実績: 家族信託・認知症対策・不動産の名義変更(相続登記)において豊富な知見と解決ノウハウを持っています。
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親身でわかりやすい丁寧な対応: 専門用語をかみくだき、ご家族ごとのご事情に合わせた最適なプランをご提案します。
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初回無料相談を実施中: 平日夜間や土日のご相談、オンライン相談にも柔軟に対応しております。
「まだ本格的に決まっていないけれど、ちょっと話を聞いてみたい」という段階でも構いません。ご家族の大切な資産である実家を守り、将来の不安を安心に変えるために、まずは当窓口の無料相談をご活用ください。
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082-233-3310(受付時間:平日 9:00〜18:00) -
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